緊急事態宣言を受けて営業の自粛をはじめ様々な対応が取られています。
精密機器メーカーのマスク生産など、臨時の思い切った対策が取られるなかで、対応が遅れているんじゃないかと思われるのが消毒用エタノールの生産じゃないでしょうか。ニュースやワイドショーも「宣言を出すのが遅かった」とか今そんなこと言ってんなよということを話している暇があったら、国税庁が動くように働きかけてはもらえないものでしょうかね

 お酒は飲用にしか使えないという建前が(おもに酒税法の観点から)あるので、お酒は消毒には使えません的なことを言ってしまってそれ以来注目されることはなくなってしまいましたが、飲用にしろ消毒用にしろ、殺菌力はアルコール分60~95%で効果を発揮します。
※※※もちろん消毒用は飲めません!!!当たり前だけど!!!

 であれば酒類製造業者(特に連続式蒸留器をもってるところ)はアルコールの製造に協力してもいいものですが、酒類製造社の動きは海外に比べて鈍いと思わざるを得ません。問題は酒税法とかアルコール事業法なのでしょう。特に酒税は問題なはず。
 高アルコールウオッカを製造する酒造メーカーがいくつか出てきましたが、これらはどこも酒税込みの値段なので、だいぶ割高です。ざっくりで、アルコール分1度ごとに1Klあたり1万円なので1リットル770円が酒税になってしまうのです。税金が取れれば国税庁としてはうれしいのかもしれませんが、この非常時、少し考えていただけないものかと思いますね。

そんな中ですが今のところ、3社が高アルコール酒(もちろん飲用!!)を発売します。

【若鶴酒造】
 

高アルコール1

 若鶴酒造は高濃度エタノール製品の供給に取り組みます。管理された衛生的な酒造のボトリング設備を活用することで関連省庁と連携しながら、4月13日(月)出荷に向けて準備を進めています。加えて所有するウイスキーの蒸留器「ZEMON(ゼモン)」をもちいて高濃度アルコールを製造することも検討します。
 アルコール度数は77%とこれまで発売された飲用可能なアルコールのなかでも最高に近い数字となります。サトウキビ原料のアルコールに加水し、ボトリングしました。本製品は飲用可能な特定アルコールのため酒税(1本あたり231円)が付加されるものとなります。
 商品名は「砺波野スピリッツ77」。原材料は醸造アルコール、グリセリン 他。アルコール分77%。容量300ml、希望小売価格880円(消費税抜)。
※商品概要、ラベルデザインは若干変更になる可能性があります。

なお供給は、1日に製造できる上限が決まっているため、週 約1,000本の製造量。北陸を中心としたドラッグストア、医療機関等、若鶴酒造直営店(とやま地酒本舗 蔵の香、若鶴 令和蔵)に優先的に供給する。
また本製品の売り上げの一部は新型コロナウイルスの感染拡大防止にむけた取り組みに寄付されます。

【明利酒類】

メイリの65%

 明利酒類は、茨城県水戸市の老舗酒造メーカー。江戸時代末期の安政年間に、現在地で創業した加藤酒造店が同社の前身で、昭和25年(1950年)に明利酒類株式会社として法人化。以後蒸留酒、アルコールなどを製造し、現在は清酒、焼酎、リキュール類(梅酒等)、発酵調味料などを造る総合酒類メーカーです。
 今回、3月17日に発売されたのは、高アルコールのウォッカ「メイリの 65%」
 蒸留酒であるウォッカは、アルコールを蒸留することで水分と分離し、アルコール濃度を高めています。 同社の既存商品「和ウォッカ」はアルコール度数が40%ですが、高アルコール65%のウォッカを製造し、新商品「メイリの65%」が完成しました。
 糖類などを加えていないため味や香りにクセがないのが特徴でカクテルのベースや、炭酸割りなど自分好みの割り方で楽しめます。
 容量360ml、価格1,000円(税別)

【菊水酒造】
 

高アルコール2

 高知の菊水酒造はこのたびアルコール度数77度の高濃度スピリッツ「アルコール77」の製造を開始。関係省庁の指導のもと、4月10日(金)から出荷開始を予定しています。
原材料は醸造アルコール、香料 アルコール分77%。容量500ml、希望小売価格1,200円(消費税抜)

酒税:385円/本を含んでいます。

※当商品は消毒用アルコールと同等のアルコール分を含んでおりますが、消毒や除菌を目的に製造されたものではありません。



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