日本の大手ワイン会社の、ぶどうの自社畑拡大が続いています。サッポロビールは北海道の「グランポレール北海道北斗ヴィンヤード」でこのほど植樹を開始。アサヒビールも北海道で、メルシャンとサントリーインターナショナルは長野と山梨で自社畑を拡張しています。昨年10月に表示が厳格化された「日本ワイン」は、現状では需要に供給が追い付いていないこともあって、自社栽培のぶどうで造った日本ワインの生産拡大を急いでいます。
サッポロ、北斗ヴィンヤードで植樹式
写真:PR TIMES
サッポロビールの「グランポレール北海道北斗ヴィンヤード」では植樹開始を記念して、5月14日(火)に植樹式が行われました。当日は北斗市の池田達雄市長、サッポロビールの髙島英也社長、北海道渡島総合振興局の小田原輝和局長、宗教法人燈台の聖母トラピスト修道院の技術経理責任者・坂本耕一さんが出席しています。髙島社長のお話によると、「北斗ヴィンヤード」はもともと同地にあるトラピスト修道院が牧草地として開墾された土地なのだそう。「ぶどう品種はメルロー、シラー、シャルドネ、ソーヴィニヨンブランを予定しており、徐々に植樹のエリアを増やしていく」「最終的には私共の日本ワインのフラッグシップである『グランポレール』に換算しますと約1万ケースに当たる量を見込んでいます。これは現在のグランポレールの製造量の約30%増にあたります」とのこと。
ちなみに計画では2021年10月に第一期分初収穫・初仕込みで翌年1stヴィンテージの販売開始を予定。安曇野池田ヴィンヤード(12.6ha)、長野古里ぶどう園(3ha)に北海道北斗ヴィンヤード(25.4ha)で計41haを確保して、2026年に「グランポレール」販売量を今の3倍の10万ケースに引き上げる予定です。
自社畑の拡大が続いている
アサヒビールは農業生産法人「サントネージュ・ニッカ余市ヴィンヤード」を通じて、今年1月25日(金)に北海道余市郡余市町梅川町にぶどう用農地を2ha追加取得しています。2017年3月に取得した4haの農地の隣に位置するところで、日本ワイン用ぶどうの栽培に活用。ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ケルナーの植樹を予定していて、2023年に2000ケースの製造を計画。今山梨にある1haと合わせると自社畑は7haで、計画では10ha以上にする考え。2025年にはアサヒビール全体の日本ワイン販売数量を7000ケースから2万ケースに拡大していきます。
メルシャンは長野県上田市で「シャトー・メルシャン椀子ワイナリー」を今年秋のオープンに向けて建設中。昨年9月に長野県塩尻市に「同・桔梗ヶ原ワイナリー」を開設。山梨県甲州市勝沼町の「同・勝沼ワイナリー」では整備を進め、3ワイナリー体制で2027年に6万7000ケースの日本ワイン販売を計画しています。勝沼が4ha、桔梗ヶ原が9ha、椀子が20haのほか、城の平に1.5haの自社畑があり、2027年には合計で76haにする計画。
サントリーワインインターナショナルは山梨県甲斐市の「登美の丘ワイナリー」に25haの自社畑のほかに、山梨や長野の耕作放棄地でぶどう栽培を始めるなどの畑の確保に動いており、昨年4月には山梨県中央市で4haの圃場を確保している。22年までに栽培面積を16年比で倍にする計画。
キッコーマン子会社のマンズワインは山梨や長野で栽培面積を3割増の24haに拡大しています。
いいぶどうを求めて
日本ワインメーカーが自社畑の確保に動く理由の一つには、いいワインを造るためにいいぶどうを確保する必要があるからだと思います。日本ワインがこれだけ持ち上げられるようになる前、ワイン用ぶどうは生食用で売れなかったぶどうを回収して醸造用に回していて「国産ワイナリーは産業廃棄物の処理場じゃない」なんて怒ってた偉い人もいるくらいでした。まあ、ぶどうの産地で露地物のぶどうを買ったりすると1kg1000円くらいで農家さんもホクホクなんですが、醸造用に回されると1kg200円しないとかなんとか聞いたことがあります。あと高齢化。あまり儲からないしぶどうの手入れは腰に来るしで、豪雪地なんかだと雪で棚が壊れたのを機に辞めちゃう、なんて人もいらっしゃるんだそうです。また、生食用のぶどうは水分が多くて、醸造用だと薄くなってしまうからいいワインができにくいんだそうです。ワイン用だと1枝に付く実の数を減らす、1房を半分に切って果実の量を減らしたりして一粒分を濃くする、粒自体を小さくして凝縮させる・・・とかするから、kgあたりいくらで取引する場合、農家さんにとってはすごく不利ですもんね。手間は生食用の1/3で済むそうですが、甲州つくるよりシャインマスカットとか作ってたほうが確かに儲かりそうです。日本ワインは確かに人気ですが、もっといいワインを造り、もっと買ってもらえるようにならないとならないので、もっと日本ワイン飲みましょうね。
写真:PR TIMES
行ってみた?グランポレール北海道北斗ワイナリー
当然ながらお呼ばれするわけもなく、どんなところなんだろうとグーグルマップ等を駆使して行った気になってみました。
ワイナリーのある北斗市三ツ石は最寄駅が道南いさりび鉄道の渡島当別(おしまとうべつ)駅から徒歩15分くらい?のようです。乗換案内のジョルダンで試しに5月20日8時東京発で調べると
(飛行機込)
東京(8時発)⇒羽田空港⇒ANAにて函館空港⇒渡島当別14時11分着
(鉄道のみ)
東京(10時20分発)⇒はやぶさで木古内⇒渡島当別15時40分着
どちらも日帰りはできなさそうです。
近くの見どころはやはりトラピスト修道院。アイスがおいしそうです。
男爵イモの生みの親、川田龍吉男爵を紹介する「男爵資料館」も見てみたい感じ。
駅前にはレンタサイクルショップもあるようなので、歩くのが面倒という人は要チェックかも。
あと、ランチの確保は徒歩だと結構厳しそうかなっていうかんじでした。
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