栃木県那須烏山市の株式会社 島崎酒造さんでは、大戦末期に戦車製造の目的で作られた地下工場跡を改装した日本酒貯蔵庫「洞窟酒蔵」を、12月15日(日)までお盆を含む毎週土日に開放しています。予約不要で見学できて無料。夏でも15℃の涼を楽しみつつ、洞窟貯蔵酒の試飲(有料)など楽しんでみてはいかがでしょうか。
 

島崎酒造



戦争遺跡・洞窟酒蔵


 第二次世界大戦末期に戦車を製造するために建造された地下工場跡が「洞窟酒造」です。昭和19年11月に東京動力機械製造株式会社の疎開が決まり、山裾に半地下式工場、それに隣接して地下工場が作られたのだそう。地下工場は縦抗 100m 3本 、横抗 60m 5本が交錯する様に張り巡らされ、総延長は600m。すべて手掘り掘削によるものということです。戦後その存在が忘れられていましたが、島崎酒造の現会長が掘削に動員された記憶をたどって見つけ出し、1970年に地主から借り受けて日本酒の長期貯蔵に使うようになったそうです。現在は1升瓶で8万本の日本酒を貯蔵。
 
 半地下工場では約20両の戦車が製造されたけれども、地下工場では製造するところまで至らなかったらしいです。何を造っていたのかまでははっきりしていないようですが、洞窟近くの紹介看板には九七式中戦車チハの写真が使われているそうなので、新砲塔のことなど思いながらお酒を飲んでみるのもいいかもしれません。
 

平均10℃で涼しく見学


 20分おきに洞窟酒造内を説明しながら案内してくれる。洞窟の横には駐車場10台分あり。試飲したいなら車じゃだめだけど、徒歩ならJR烏山線滝駅下車で20分くらい歩く必要があるようです。併設売店では洞窟熟成酒、リキュール、菓子等の販売も行っています。内部は年平均気温10℃(夏15℃、冬5℃)だそうなので、そのつもりで行ったほうがいいようです。
 
開放時間は10時~16時。土日祝日は予約不要。ただし平日の見学の場合は要事前予約(1名から)。
 


島崎酒造さんは


 JRだと滝駅より一駅次の烏山駅からほど近くにあり、洞窟酒造からだと車で10分ほどなんだって。1849年創業、メインブランドは創業者の相撲好きから「東力士(あずまりきし)」。山田錦、五百万石を使って那珂川の伏流水で仕込んで、いろいろなテイストの日本酒をはじめ、リキュール・ワインなども製造しているそうです。
 

島崎酒造2




所在地   栃木県那須烏山市中央一丁目11-18
電話    0287-83-1221
営業時間  9時~18時、元日のみ休業
アクセス  JR烏山線 烏山駅から徒歩10分 駐車場有



近くの観光名所は


 洞窟酒造から車で5分程度のところには「龍門の滝」という観光名所もあります。大蛇が棲む伝説のある高さ20m、幅65mにわたって流れ落ちる滝。中州まで下ると、滝の水しぶきやマイナスイオンを浴びることができ、夏のクールスポットとして人気を集めているそうなので、一緒に楽しむことができそうです。






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