日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)国税庁は8月7日(水)、日本酒を輸出する際に海外の消費者からの理解が得られやすい「標準的裏ラベル」「表記ガイド」を公表しました。海外市場に対応した共通の表記を広めることで、海外消費者の日本酒への理解促進と消費拡大が期待できそうです。

 
いらすとや日本酒


 「標準的裏ラベル」は消費者調査を基に、重要度の高い上位6項目(香り・風味、味覚、推奨飲用温度、保存温度、ペアフード、産地)と、興味・関心度の高い2項目(醸造元の物語、製品の物語)の記載を推奨。また、追加で記載が有効な6項目(日本酒とは何か、特定名称、米品種、外観、飲用シーン、受賞歴)についても整理しています。
 また表記する際の「ガイド」として、「『味』は消費者に馴染みのある2つの軸『淡麗⇔濃醇』・『辛口⇔甘口』を製品名下部に記載することを推奨」「『香り・風味』は消費者が具体的に想像しやすい果物等の表現を用いて、製品名下部に記載することを推奨」など、分かりやすく紹介しています。

 たとえば、淡麗なら「light」、濃醇なら「rich」とか、極辛口「extra-dry」~やや辛/普通「mid-dry」~甘口「sweet」なんていうのはわかりますが、
【全体像】=refreshing(爽やかな), rich(芳醇な), matured(熟成香), fruity(果実香)
【果実(FruitFlagrances)】=green apple(青りんご), banana(バナナ), white peach(白桃), melon(メロン)
【花(FloralNotes)】=lilac(ライラック)、violet(スミレ)、sweet osmanthus(金木犀)
植物(GreenNotes)=green grass(青草), leaf bud(木の芽), black tea(紅茶), Japanese cypress
(ヒノキ), root(根)
【その他】=mushroom(マッシュルーム), cinnamon(シナモン), nutmeg(ナツメグ),
chestnut(栗), almond(アーモンド), steamed rice(蒸米), milk(ミルク),
sour cream(サワークリーム), soil(土), mineral(ミネラル), caramel(カラメル),
espresso(エスプレッソ), honey(はちみつ), roasted nuts(ローストナッツ)

とかとか。こういうのを一個一個積み上げてくしかないんでしょうね。一足飛びにWSETのようにはいきません。

 なお、「この裏ラベルのデザインと表記項目を基に、各事業者が輸入業者と意見交換を行うなど、輸入先の販売対象者に適したものとすることが必要。また各事業者は自社や製品の特徴などに応じて、記載の項目や内容などをカスタマイズして利用することも可能」としているので、メーカーにとっても取り扱いやすいものになっているようです。

 具体的なラベル例とガイドの内容は、JFOODOのHP内(https://www.jetro.go.jp/ext_image/jfoodo/news/uralabel/doc.pdf)に掲載されています。
 
 日本酒の裏ラベルは日本人が見てても全部理解しているのか疑問のあるところがあります。ましてや海外のお客様からしたらわからないことだらけだと思います。馴染みのない表現では、自分の好みの味を選びにくい、そんな課題に対応した共通の表記を広めることで、海外の人がもっと日本酒を知ってくれるといいですよね。




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