サッポロビールはアメリカのビール醸造所「アンカー」社の3商品を3月3日(火)から全国発売しました。
定番の「アンカー スチーム」は独自の伝統製法でトーストした麦の甘みとほのかなホップの香りが特長です。Alc.5%。
「アンカー リバティエール」はホップの苦みと爽やかで雑味のない味わい。Alc.6%。
「アンカー ポーター」はチョコレートやトーストしたキャラメルを思わせる香りが特長です。Alc.5.5%。
いずれも原材料は麦芽、ホップ。各355mlびん、オープン価格。
アンカー社は1896年にアメリカ・サンフランシスコで創業し、アメリカ最初のクラフトビール醸造所として知られています。同社は「スチームビール」の名称で、地元サンフランシスコで名声をあげ、その後アメリカ全土で評判となりました。ラベルには3種いずれも醸造所の象徴であるアンカー(錨)のデザインを中央にあしらい、商品名を大きく配しています。
アンドレアスのメモ
アンカー社は、親会社アンカー・ブリュワーズ&ディスティラーズ(ABD)社の全持分(有限会社なので株式じゃない)をサッポロホールディングスが2017年8月に取得したことで、サッポロ傘下に収まっています。当時は「アメリカでの話であって、日本でクラフトビールを本格的にやろうというわけではない」という説明をしていたはず。
そもそもサッポロという会社は「ヱビス」も以前はプレミアムビールではなく高級ビール(プレモルを意識して?)と言っていたりして、”わが道をゆく”ことの多い会社です。クラフトビールについても2017年頃はたしか、「大手ビールが手を出すジャンルじゃない」とかなんとかいう判断で、子会社を作ったりしますが、本丸での扱いは頑なに拒んでいた感じでしたが、アンカー入手から2年半を経て気が変わったみたいです。こんな不器用な感じが、マニアから愛されるのかもしれませんね。
アンカー社は1965年に一時廃業寸前まで行きますが、洗濯機メーカーの御曹司フリッツ・メイタグの手により再建、クオリティ重視の丁寧なつくりを今も引き継いでいます。米クラフトビールの草分けと書かれることもありますが、ベルジャンタイプの人気をきっかけにここ20年くらいの間に急成長したいわゆる今のクラフトビールとは違う気がします。地場で独自のビールを造る、日本でいうと地ビール黎明期の頃に誕生した醸造所の方が方向性が近い感じがします。
ちなみに日本でのアンカービールはいつからあるのかはっきりわからないのですが、小網>三友小網>三井食品の流れの中でずっと取扱いがあったはずなので、少なくとも三友小網が誕生する2000年(平成12年)より前から三井系で販売していたはず。20年以上取扱っていたものが、親会社の買収のためとはいえ他社に移るのは残念なことでしょう。セブンイレブンで取り扱いが無かったらちょっと裏舞台を考えちゃうところです。

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