「さつま白波」「神の河」(かんのこ)の焼酎蔵元、薩摩酒造は本格麦焼酎をホワイトオーク樽で12年間熟成させた本格派リキュール「SLEEPY OWL」(スリーピーオウル)11月4日(水)より数量限定で全国発売します。

スリーピーオウル
 
 「スリーピーオウル」は、夜行性のフクロウでさえ眠くなってしまうような、心をほぐす癒しのイメージから。焼酎を飲むことで1日の疲れをとる「だれやめ」という、九州南部の焼酎文化にちなみ、1日の終わりを極上の樽の香りで楽しむ新しいお酒スタイルを提案しています。

 同じ長期貯蔵の麦焼酎「神の河」よりも明らかに濃い琥珀色の液色は、使用する樽の焼き加減が影響しています。
 樽は米・ピッツバーグから輸入したホワイトオークの空樽をリメイクして使用。北米産のホワイトオークは、国産に比べゆっくりと時間をかけて育つため、年輪の密度が高く、耐久性や耐水性に優れており、樽材として非常に適しているそうです。
 この樽を自社の樽職人(クーパー)がメンテナンス。焼き直しの際、最も激しく焼く「ヘビー」(下の写真中央)にすることで、温かみのある濃い琥珀色に仕上げています。

 樹齢100年越えのホワイトオーク樽で12年間長期熟成させることで、バニラのような甘い香りを引き出しました。また、樽は空気を少しだけ通すため外気と適度に触れ合いながらゆっくりと熟成が進み、味をやわらかくしてくれます。

 
スリーピーオウル2


 同社では「昭和63年にワンランク上の本格麦焼酎「神の河」を発売して以来、世界の蒸留酒と対等に戦うことのできる蔵元を目指し、樽貯蔵の本格焼酎造りにこだわってきました。国内の焼酎蔵元では唯一、自社内に「樽職人」「樽工房」「樽貯蔵庫」を持ち、保有する樽は数万個にのぼります。樽職人が丁寧にメンテナンスを行うことで、70年近く使い続けることができる樽も存在します。樽貯蔵の魅力は、芳醇な樽の香りと琥珀色の液色。焼酎の着色度・吸光度は、「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達」(いわゆる光量規制)で上限が規定されておりますが、この度、当社自慢の樽貯蔵原酒の香りを最大限に楽しんでいただくためにリキュールというカテゴリーで、『SLEEPY OWL』を発売することになりました。12年もの間、ホワイトオーク樽でじっくりと熟成させた余韻の残る濃厚でなめらかな味わいをご堪能いただけます」としています。

 
商品メモ
品目       リキュール
原材料      本格麦焼酎(国内製造)、食物繊維
アルコール分   40%
内容量      720㎖
参考小売価格   6,000円 (税抜)


アンドレアスの思ったこと
 薩摩酒造の樽熟成麦といえば「神の河」。二条大麦原料に麦麹の100%麦使用でホワイトオーク樽で長期熟成させたもので、ウイスキーに通ずるスモーキーな香りとふくよかな麦の味わいが特長です。とはいえ、規制による色の薄さ、アルコール分が25%であること、アルコール発酵させるための糖化過程が麦芽(水あめは麦芽糖って言うよね)ではなく麦麹を使うので麹の印象(ちょっと遠いけど甘酒のイメージ)が残るあたりが麦焼酎ならでは。「スリーピーオウル」の場合はAbv.40%で、色もあえてそのまま残してるので、よりウイスキーライクなお酒と言えると思います。

 余談ですが、「神の河」は発売32周年を機に11月1日(日)から公式ブランドサイト(https://kannoko.jp/)をオープンさせたそうです。樽へのこだわりなども細かく紹介しているようなので見てみてはいかがでしょうか。 

ボトル形状やパッケージデザイン、商品名がアルファベットというあたりから、国内だけじゃなく海外も含めてボーダレスな市場を考えていそう。でもそれなら容量が720ml(日本独自の度量衡・尺貫法で四合)なのはなぜだろう?ウイスキー狙いなら欧州で一般的な700mlかアメリカの750mlにしそうなものなのに。ちなみに昨年の日欧EPAで、EU域内では「単式蒸留焼酎の四合瓶や一升瓶の輸出」がようやくOKになったばかりです。今回のような、ウイスキーみたいなリキュールで欧米にはない半端な容量のジャパンローカル“SHOCHU”ってどう受け取られるんだろうね。

もう一つの余談、「光量規制」については長くなってしまったのと、今後話題として出てきそうなので別項で。