アサヒビールが4月6日(火)からコンビニで先行販売したビールの新商品「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」がさっそく話題になっているようです(本格販売は4月20日(火))。発売当日に買ったものの飲んでる時間がなくって出遅れてしまいましたが、わが「さけにゅー」でもしっかり飲んでみたので、早速レビューしたいと思います。

アサヒジョッキ缶3


 機能的なことは他でもいっぱい紹介されているので後回しにしてお味から。
 缶蓋をぱっかーんと開けると早速盛り上がってくる泡。お店でもベストな調整(洗浄とか温度管理とか)をしているところだけでお目にかかることができる、クリーミーな泡です。爪楊枝を泡に刺すと立つくらいのクリーミーさは、個人的に大好きな東京・新橋の名店「ビアライゼ’98」レベルと言っても過言ではない口当たりです。このクリーミーな泡が香り立ちにも影響するのですが、ベストな調整をされているせいか麦芽の甘さみたいなものがもっとも感じられ、”うまいビール”としか言いようのない美味しさです。
 
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 個人的な感想を言うならば、まるでビール初心者の時の「苦い」印象が徐々に変わっていき、「家に帰ったらまずビール飲みたい」とか、レストランで食事するときに「ビール頼んじゃおっかなー」とか思えるようになった時のような、テイスティングコメント的には言い表せない、記憶と感覚に訴えてくるような”うまい!”味でした。

 この味を実現するために、随所に工夫が施されています。
 最大の特長はやはり「生ジョッキ缶」。缶メーカーとの共同開発による、特許出願中の「自己発泡する缶胴」です。通常缶だと缶胴内側はアルミの平面に過ぎず、発泡は缶を開けたときの内外の気圧差によるのでごく少量しか発生しません。しかし「生ジョッキ缶」だと缶胴内側のアルミに特殊塗料(焼き付け処理なので溶け出す心配はない)によってカルデラ状の凹凸をつくっていて、これによって発泡量が増えて沸きだすような泡立ちになります。
 
アサヒジョッキ缶5
見た目にはわからない凹凸のある缶内側

その泡は実に「0.1㎜」!通常の缶からグラスに注いだときの泡の大きさは0.5㎜なのだそうで、その細かさは数字からもよくわかります。
 
上部の蓋は全開・はずれるので、缶をコップに見立てて(ワンカップとかのように)直接口をつけて飲むのがベスト。口中へ流れるビールの流量は通常感が65mlに対して生ジョッキ缶は90ml。広口と流量の多さで、同じ「スーパードライ」でも香りの感じ方が全然変わってくるような感じがします。
 開缶そのままなので炭酸ガス圧は、通常缶からグラスに注いだ時よりも強く、サーバーからジョッキに注いだ時と同じ炭酸ガス圧なのだそうです。

 すでに試された方は分かると思いますが、開缶すると勝手に泡が盛り上がってきます。全く振ってなくてもガンガンに発泡し、あっという間にあふれてしまいます。うちも油断してました。コンビニで購入して2時間冷蔵庫で静置したあと、冷蔵庫から出してすぐ開缶したのですがあっという間に大参事でした。でもなんか「あーあーあー」とはならない楽しさ?みたいなものがありました。
 
アサヒジョッキ缶2

缶に記載してある生ジョッキ缶の推奨温度。4~8℃で低いと泡少なめ、高いと泡多め、「冷蔵室で冷やしてお飲みください」「12℃以上はふきこぼれ注意!」とありますが、思った以上に低い温度にしておいた方がよさそうです。あくまで自己責任ですが冷蔵室なら冷気吹き出し口の近く、チルド室があるならそこの方がいいかもしれません。一番いいのは前日のうちに購入して冷やしておくことだと思います。

 ちなみに、この空き缶に他社ビールを注いでも、同じくらい細かい泡が発生するのでビックリです。きれいに洗っておけば、多孔質の陶器ビアグラスの代用になるくらいの機能があると思います。
ただ、他社のビールだと、細かな泡で香り立ちが強くなることでホップの青苦さがいつも以上に強調されてバランスが崩れるようにも感じられました。

 缶から直接飲むの推奨&蓋は外れるので、切り離し後のそれぞれのエッジ(断面)には相当気を使っています。高級な食品缶詰ではすでに採用されている、日本独自の「ダブルセーフティー構造」を飲料缶では初採用。切り離し断面が露出せず巻き込まれたようになっている安心設計なので、実際に指を滑らせても全く切れることはないのがよくわかりました。

アサヒジョッキ缶4

 問題は缶蓋でしょうか。飲料業界的には先祖がえりみたいなところがあります。飲料缶よりも先にビール缶が1958年に誕生(「アサヒゴールド」、缶きりで穴二つ開けるタイプ)。65年からはプルタブ方式が登場し、清涼飲料缶も含めて一気に普及します。普及とともに90年頃からは、開缶後に切り離されるプルタブがあちこちに捨てられ、ゴミの飛散として社会問題化されてしまいました。そうしたことを経て、今のようなプルタブが離れない方式(業界的にはステイオンタブ、SOTと言います)にほぼ切り替わっています。
 今回のジョッキ缶の場合は蓋ごと切り離せるので容易にプルタブごみ化する恐れがあります。いちおう、開缶時に上蓋がゆがむので缶の口径より小さくなり、飲んだ後は缶内に放り込めるので、私個人は消費者の立場として、ゴミ飛散防止にはできるだけ協力していきたいと思います。
アサヒビール的には「家で飲むだけだし」「まだ生産量は少ないし」とか軽く思っているなんてことはないとは思いますが、過去に社会問題になっているだけにヤリ玉に挙げられかねず「ごみ問題に努力していますよ」というメッセージは強めに発信していかないと足元をすくわれそうな気もします。

アサヒジョッキ缶
発売前日、8フェース空けて準備するコンビニ
 
 あと価格の問題。通常缶と同じ1缶219円(コンビニ価格、税込)ですが容量は340ml。通常より10ml少ないのをどう捉えるか。割高と思う人がどのくらいいるでしょうか。
個人的には、通常缶と生ジョッキ缶が並んでいたらジョッキ缶を買うかなという感じ。むしろ味の点で、通常缶に戻れないと思う方が問題なんじゃないかと思いました。