宝酒造から新しいRTDブランド“タカラcanチューハイ「すみか」”が9月28日(火)に発売されたので【飲んでみた】です。
辛口果汁系とか“ちょっとエシカル”とか事前情報は聞いていましたが、それ以上に驚いたのがお値段。税込み価格で143円です。税抜き価格なのかと思っちゃいましたよ。一応書くと、周りが155円(税抜き141円)の中で143円(税抜き130円)ですから目立ちます。白ベースでほわっとしたイラストのデザインと相まって“チープ系”に見えやしないかと、何の利害関係も無いながらドキドキです。「エシカル」に対する考えを知ってナルホド!と思っただけに、続いてほしいブランドではあるんですが…(開発話を後ろの方に長々書いたので、興味のない方は読み飛ばしてください)。
それでは、農家さんに感謝してカンパーイ。
先に味を書くと、3品とも水のようです。昨日飲んだ「トポチコ」といっしょ。甘くなくて、アルコール感も無くて、水を飲んでるみたいにゴクゴク飲める。香りもやさしめで、さっぱりして口の中に残らない。
今まさにはやりの“ハードセルツァー系”と言っていいんではないかと思います。セルツァーの定義って調べれば調べるほどガバガバなので、これもジャパニーズハードセルツァーと言った方が今ならわかりやすいんじゃないでしょうか。その方が外国にも売れそう。
個々にいうと、「#国産ぶどう」は3種類の中で唯一アントシアニン色素が入っていて、うっすら紫色です。ブドウっぽさを出すためでしょうか。香りと、うっすらした控えめな味はどちらもデラの感じ。小粒の種なし葡萄デラウエアの、ちょっとファンタグレープに共通するいかにもなブドウの印象があります。
品目はスピリッツ(発泡性)①。アルコール分は5%。350㎖缶130円(税別)、500㎖缶172円です。
広告はフリーアナウンサーの宇垣美里さん。ターゲットにしている女性層からの支持が高いことからの起用。「かわいいフリして辛口。」のコピーが印象的です。1週間は都内JR全線と東京メトロとかに車内吊り広告を出しているそうで、目にすることも多いんじゃないかと思います。私もさっそく見かけました。
宝酒造のエシカルな商品開発話に感心
「すみか」開発にあたっては、すっきりした味を求めて素材開発から始めて、それまで捨てられることの多かった果実の皮からエッセンスを抽出する方式を生み出しています。これによって、レモンの場合で総重量の20~30%を占める果汁しか使われていなかったのが、7~8割を占める皮を有効活用できるようになったということで、食品ロス削減に最大限貢献できるようになるんだそうです。
食品ロスばかりでなく、これまでは果実の25%前後しか原料果汁として使っていなかったので値段が果実の4倍になっていたものが、残りの部位も活用することでコストダウンだったり用途の拡大だったりで生産者の収入も増加し、地域経済応援・産地の持続可能性を高めることにもつながるみたいです。
さらには、これによって国内原料だけで製品化できるようになり食料自給率の向上、海外から原料輸入のための輸送がいらなくてCO2削減などにもつながるようです。
宝酒造ではこれまでもずっとチューハイでエシカルな取り組みを続けてきたそうです。
「直搾り 日本の農園から」(エシカル1.0)
始まりは希少な国産果実の商品化。2010年頃、愛媛県宇和島市の平均気温が過去30年で1℃上昇し、生産可能になった愛媛県産ブラッドオレンジの産地化・普及化のため地元と協力して「直搾り 日本の農園から 愛媛産ブラッドオレンジ」(2012年)を発売。「日本の農園から」シリーズは2011~2019年の間に25品以上販売されました。
「直搾り 日本の農園から」(エシカル1.0)
始まりは希少な国産果実の商品化。2010年頃、愛媛県宇和島市の平均気温が過去30年で1℃上昇し、生産可能になった愛媛県産ブラッドオレンジの産地化・普及化のため地元と協力して「直搾り 日本の農園から 愛媛産ブラッドオレンジ」(2012年)を発売。「日本の農園から」シリーズは2011~2019年の間に25品以上販売されました。
ただここでは2~3年もすると新鮮味がなくなる、全国で1~2カ月程度の期間限定では地元の土産物になりにくい、そもそもブランド化できていない果実は売りにくいという問題点が明らかになったそうです。
「寶CRAFT」(エシカル2.0)
次に「地域密着型」への挑戦。限定産地の果実は青果以外の用途がなくて売れなければ廃棄していたり、シーズン以外には観光客に紹介することすらできなかったり、さらには知名度が低くて価格競争力も無いなんていう問題点の解決に向けて、「寶CRAFT」ブランドを2017年から発売。産地グルメに合うチューハイとして、産地では年間通じて販売できることで、土産物化もできブランド化にもつながり、収入増となれば農家の後継者育成にもつながるwin-winの関係を構築できるようになったと言います。
ちなみに、ゆず栽培発祥の地と言われながら需要が減り農家も減少していた京都・水尾ゆずの再活性化をはじめ、「栃木県茂木町」「石川県金沢市」「埼玉県越生町」「三重県大台町」「岩手県陸前高田市」など全国にある小規模産地のゆずの商品化に成功しています。
さらには、京檸檬プロジェクト協議会と協力して2018年8月から耕作放棄地を活用して特産果実をつくる試みも行っているそうなので、レサワでレモンのことに詳しい人たちにはもうよく知られている話なのかもしれません。
「すみか」(エシカル3.0)
そして今回の「すみか」。コロナ禍で観光需要の減少や、外食の抑制による国産果実の消費減で小規模産地が大打撃を受けていることを踏まえて、環境変化に強くより持続可能なモデルの構築を目指して、日本各地の果実を供給可能な量や形態で集めて、組み合わせて加工することでよりフレキシブルな生産体制をつくりあげました。たとえば「すみか#国産ゆず」では、愛媛と京都のゆず果汁、兵庫からゆず搾汁残渣、高知から未利用部位を集めてくるといった感じです。そんな「国産果実による連携」で、おいしい果実とその産地を守りたいという想いをこめて、フレーバー名を「#国産〇〇」としているんだそうです。

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