2021.12.31ZIMA2本
 
 年末に悲しい話題ですが、もう飲めなくなるかもしれないので今日はRTD
「ZIMA」を【飲んでみた】のです。

どういうことかというと、大手通販サイト等で軒並み
「在庫限りで終売」と表示されているからなのです。モルソン・クアーズ社は2021年3月にインド撤退の報道がありましたが同じようなことがムニャムニャ。公式HPやニュースリリースなど一次情報が無いのではっきりしたことが言えないのですが、少なくとも現在の輸入・販売元から出される現行品はこれ限りのようなので、節目的な意味で飲んでみました。

※1月4日追記
続報として各ブランドの今後の行方を勝手に予想してみました。
 『-さよなら「ZIMA」‐ 続報』の記事はこちらです。

2021.12.31ZIMA缶F
 
「ZIMA オレンジ&カシス」は2021年7月に、ZIMA全体のブランドロゴを刷新したのと同時に発売した新フレーバーでした。缶を開けると同時に爽やかな柑橘の香り。これを香料だけ(無果汁w)で出すのだからいいセンスしてます。飲むとオレンジのサッパリした口当たりとカシスのコクのあるベリー感のバランスが取れて、しっかりした味がありつつ爽やかな飲み口が続きます。甘め、なんだけどくどくない、すっきり爽やかな「カシオレ」です。居酒屋さんはぜひ参考にしてほしい”ちょうどよさ”でした。

2021.12.31ZIMA缶S

原材料:スピリッツ、糖類/炭酸ガス、酸味料、香料。リキュール[発泡性]①。
栄養成分表示:エネルギー60kcal、たんぱく質0g、脂質0g、炭水化物9.5g、食塩相当量0.09g。
アルコール分4%、容量330ml缶、原産国ベトナム、輸入者:モルソン・クアーズ・ジャパン。


2021.12.31ZIMA瓶
 もう一つはコアブランドの
「ZIMA」瓶。新ロゴはコブラ会みたいで正直気に入らなかったなぁ。キャップに名残が残ってる旧デザインの方が好みなんだけど、本国との版権関係もあったりしたのかな。マキシキャップをキュッと開けて瓶から直接飲む。今となってはちょっと甘めかなも思うけど、特定できない複雑な柑橘の味がしっかりあって、冷やして飲むとこれしかない、オリジナルなおいしさがありました。説明だとレモン、ライム、ベリーなど23種のフレーバーを融合し、ほんのり甘くスッキリした飲み口が特徴。唯一無二の味、また飲めるといいな。

原材料:スピリッツ、りんご果汁、糖類/炭酸ガス、酸味料、香料。リキュール(発泡性)①。
栄養成分表示:エネルギー47kcal、たんぱく質0g、脂質0g、炭水化物5.4g、食塩相当量0.01g。
アルコール分4%、容量275mlびん、原産国ベトナム、輸入者:モルソン・クアーズ・ジャパン。


「ZIMA」を懐かしさと共に振り返ると。
 「ZIMA」はアメリカのクアーズ社(2005年にカナダのモルソンと合併して現在のモルソン・クアーズ社)が1993年に発売したビール風飲料です。当時のアメリカは透明ブームで、コカ・コーラ「タブクリア」やペプシの「クリスタルペプシ」などコーラも透明になった時代(その後の98年にはi Macすら半透明になりました)。その勢いに乗ってビールも透明にしちゃおうと開発されたのが「ZIMA」です。ビールをろ過して色を抜き、シトラスフレーバーを添加した、味も見た目も新しいアルコール飲料でした。ビール(=麦芽発酵のアルコール)にフルーツのフレーバーを付けたということで、その後アメリカで人気となった「ハードセルツァー」の元祖ともいわれています。
 
 日本では1996年に発泡酒「ジーマ・クリアモルト」として販売開始。たしか「東急沿線でだけテスト販売してオシャレ感を出した」ようなエピソードがあったと思います。六本木ジャックとかもしたような気がしますが、実際にヒットしたのは北海道や北陸、東海、中四国の地方のおしゃれバーで話題になってから。ビールの「クアーズ」の会社なのに「ZIMA」は「クアーズ」の
50倍の100万ケースを売る看板商品になりました。

 一方でアメリカでは最初こそ話題になりましたが、マッチョ時代に逆行する「女子供が飲む酒」というイメージが蔓延して2008年には終売となってしまいました。生産拠点を失ったジャパン社はどうしたか?中国に生産拠点を移して、日本では販売を継続します。このタイミングで、醸造酒ベースだったものが、スピリッツに糖類や炭酸を加えたリキュールに変わります。

 しかし運が悪かった。この時の中国製造(特に口に入れるもの系)は2007年夏の
「段ボール肉まん」のイメージが強く、原産国名に表示されているだけで売上げを落とすほどの威力があったため、2009年にはベトナムでの生産に切り替え、現在に至ります。

 つまるところ、現・生産拠点は縁もゆかりもない海外PB工場、本国では生産もマーケティングもしていない、となると、製造販売を引き継ぐのはいろいろと面倒があるんじゃないか、ゆえに、もう取り扱うところがなくなるんじゃないか、と想像できるわけです。

 これで有利になるのはコンビニ売場で並べて置かれている
「スミノフアイス」かな。「スミノフ セルツァー」みたいな商品もあるようだし、2022年もいろいろ波乱がありそうです。


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