さけにゅーの【飲んでみた】レビューでは『普通の』という表現をよく使います。悪い意味で使ってるんじゃないんです。すごく強いレモンだったりホップだったり、もしくはピートだったりがトンがった味というのもわかりやすくていいですが、実は“普通”が一番おいしい、そんなつもりで用いています。なにより、おいしくなかったら飲んでもわざわざ紹介しないしね。
 そんな前置きをしたうえで、今回【飲んでみた】「麒麟特製クリア酎ハイボール」は普通に日常遣いできる酎ハイだなと思ったので紹介します。

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 グラスに注いでも無色透明なので特段いうことないです。香りも全然強くない、シトラス系もあまり効いてなくて、焼酎的な麹のニュアンスが少しあるくらい。
飲むと、丸い口当たりでほの甘さというくらいの味があります。
正直言うとこのブランドのほかの製品はウオッカのキレがきつすぎて度数以上のアルコールを感じてしまって苦手なんです。しかしこれは、アルコール分7%なのに5%くらいに感じる柔らかさなんです。
特段とんがった特徴のない、普通のチューハイ。でもこれくらいの方が飲み飽きとか飲み疲れとかしなくていいんだなぁ。ごはんにもよく合って、夕飯時の一杯におすすめだと思いました。

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 ベースアルコールはウオッカだけど、レモン浸漬酒に焼酎を使っているということですが、何焼酎かは書いてないんですねこれ。まあ、酒税法上の焼酎って、ざっくり言うと単式でアルコール分45%以下、連続式なら36%未満の蒸留したお酒でウイスキーとかジンとかじゃないもの全般なので麦でも芋でもいいんですけど。あえて当てに行くとすると、この“ほの甘さ”は米焼酎!じゃないかなあと思うんですがどうでしょうか。ズバリ八代の米「白水」系の原酒。違うかなあ。

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メーカーの説明では、「中味は、ウオッカをベースに、焼酎にレモンを漬け込む『レモン漬け込み焼酎』で仕立てたことで、お酒のクセ感を低減し、すっきりと飲みやすいおいしさを実現しました。まろやかなお酒の味わいが、繊細な料理の味を邪魔しないことから和食との相性は抜群です」と説明しています。
「レモン」と「クリア」の2つがありますが、「麒麟特製 クリア酎ハイボール」のほうは「焼酎仕立てのすっきりとしたおいしさをベースに、クリアで甘くない上質なおいしさが楽しめます」だそうです。

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あんどれの余談
ちゃんと調べてないので仮説ですが、キリンのいわゆる“チューハイ”が“酎ハイ”を名乗るのは本商品が初めてじゃないかと思います。

キリンビールのHPをマニアor研究者視点で見れば一目瞭然です。商品カテゴリ「チューハイ・カクテル」とありますが、それにぶら下がっている個々の商品は「麒麟特製」と「発酵サワー」と「麹レモンサワー」は“サワー”なんです。「キリン本搾りチューハイ」はチューハイを名乗っているけど、それはメルシャン時代からのもの。そしてキリン生え抜きの「キリン氷結」はというと、酎ハイともサワーとも書いてないんです。
あ、いちおうCMコピーなどでは“気持ちいいのがチューハイだ”とか言ってますが、「氷結」がチューハイ、もしくは酎ハイであるという直接的な表現は避けるように気を配っています。
業界の、たぶん内部ルールなんだと思いますが、とにかく焼酎原酒を使ってなければ「酎ハイ」「チューハイ」とは名乗れないのでしょう。だからこそ、今回の商品は、レモン浸漬焼酎とウオッカのブレンドだから、“酎ハイ”と“ハイボール”、略して“酎ハイボール”になったのではないでしょうか。
キリン生え抜きブランドでおそらく初の“酎ハイ”であろうこのシリーズ。美味しかったので、この路線をもっと広げてくれるといいな、と思った次第です。

あんどれ


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