世界中でウイスキーの人気が上がり続けるなかで、ニュージーランドやノルウェー、イスラエルなどいろんな新しい生産国が誕生していますがルーマニアのウイスキーが日本市場に名乗りを上げるみたいなので紹介しておきます。
商品を売るだけじゃなくて、ジャパニーズウイスキー蒸留所への投資または自らで新設して、つくったウイスキーは自社のネットワークで輸出販売を行っていく考えなんだそう。
スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアンとも、自国市場だけでなく輸出も盛んなのに対して、ジャパニーズは5大ウイスキーと言いつつこれまではほぼ国内市場だけを相手にしていたところがあるので、これが実現するとジャパニーズウイスキーにとって大きな変化になることは間違いないと思います。
ルーマニアのウイスキーというのは、アレクサンドリオン・グループ傘下のアレクサンドリオン・セイバー1789蒸留所が製造する「カーパシアン」シングルモルトです。
ルーマニア産100%のモルト、カルパチア山脈から流れ出るピュアな水、ルーマニアワイン樽やヨーロッパ樽、バーボン樽など様々な樽の組み合わせが洗練さを与える。スコットランドより平均5℃高い温暖な気候での熟成により、ユニークでマイルドな特徴があらわれているとのこと。「ハイランドモルトのようなイメージ」とマスターディスティラーのアラン・アンダーソン氏が表現しています。
この、アラン・アンダーソン氏はLinkedinで見られる経歴だと、ロッホローモンドで18年勤務した後、ホワイトマッカイ、グレートノーザンの各蒸留所での生産マネージャーやアイルランドのスレーン蒸留所のデザイン・コンサルタントを経験。ルーマニア初のシングルモルトをつくるため2017年からアレクサンドリオン・グループのウイスキー・ディレクター、蒸留責任者をされている方だそうで、スコッチ、アイリッシュに精通されているらしいです。

フェテアスカ・ネアグラはルーマニアの赤ワイン品種、ヴラディアーノはギリシャの赤ワイン品種らしいです。
アレクサンドリオン・グループは、ニュースリリースによると、
ルーマニアで蒸留酒とワインのトップ生産・販売業者であり、さらに国内で唯一のシングルモルトを生産しています。このグループは200年以上にわたり、ルーマニアの代表的なブランドを生産しており、その品質と洗練さで国内外から高く評価されています。特に、アレクサンドリオン・セイバー1789蒸留所で生産される製品群は非常に注目されています。製品のラインナップには、ルーマニア伝統の飲料や国際的な製品も取り揃えています。アレクサンドリオン 5スター、7スター、著名なブランコヴェアヌ XO、VS、VSOPヴィナルス(ルーマニアブランデー)、セイバーエリジアのフルーツリキュール、ゾルマイアのフルーツ蒸留酒、クレスコヴァウォッカなど、多彩な製品がルーマニアのスピリッツ市場のリーダーシップを支えています。

2018年には英ヘイルウッド社が持つワイナリー4社を買収して同国最大級のワインメーカー(ワイングループをクラメレ・ハレウッド社からアイコニック・エステートに改称)となったほか、米ニューヨーク州にウイスキー蒸留所を新設(獺祭のNY酒造場と並ぶニュースとして現地で取り上げられてました)。蒸留所で4,000万ドル、全米で1億ドル(150億円くらい)を投資したらしいです。
同グループの創設者兼会長のナワフ・サラメ博士は「ここ数年で、アレクサンドリオン・グループは驚くべき成長を遂げてきました。私たちの製品は世界中で愛されており、特に日本での反応は大変好意的でした。このような背景から、次の一歩を踏み出すのが自然な流れと感じました。2024年の前半には、日本の消費者が私たちのような質の高いスピリッツやワインを高く評価することを背景に、配分会社を設立する予定です。日本国内での生産に関しても、新たな蒸留所を建設するか、合弁事業を通じての取り組みか、既存の蒸留所を購入するかという3つの方向性を模索しています。」「私たちの配布ネットワークに含まれる市場で、特に日本でのウイスキーへの需要はとても高く、日本の蒸留所が完成次第、私たちは自ら生産し、それらの市場へ輸出します」とコメントしているそうで、意欲満々です。
実現したら大きな話題となることは間違いないでしょう。

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