ニッカウヰスキー90周年記念の限定商品、「ザ・ニッカ ナインディケイズ」7月2日(火)に発売になりました。国内限定1,000本(海外1,000本とで合計2,000本)限定でバー中心の販売ということでしたが、手に入れられた方おめでとうございます。
手に入れられなかった方は、10月にも2,000本(国内、海外各1,000本)の追加発売があるので、お金を握りしめてお待ちくださいね。

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アルコール分48%、700㎖ボトルで観音開きの化粧箱(木箱入り)。参考小売価格は30万円(税別)。
ちなみに、なんで発売を2回に分けたのかというと…
ボトルに凝りすぎちゃったかららしいですよ。伝統工芸の江戸堀り(マツウラブラスト登録商標)の技法で1本1本、丁寧にロゴを刻印したボトルなので4,000本を一気には揃えられなかったんだとか。それだけに、見た目から既に重厚感というかありがたみが違っています。

 「ザ・ニッカ ナインディケイズ」はニッカウイスキー90周年記念の限定商品です。1940年代から2020年代までを、10年ずつ9つの年代(ディケイズってそういう意味)に分けた原酒を使っています。

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余市蒸溜所や宮城峡蒸溜所に現存する最古のモルト原酒や、新たなチャレンジとして製造した門司工場とさつま司蒸溜蔵のグレーン原酒、西宮工場の長期熟成グレーン原酒、スコットランドのベン・ネヴィス蒸留所のモルト原酒などから生み出された150種類以上の原酒を使用しています(ちなみにさけにゅーXのトップ記事、蒸留所マップに使っている画像は宮城峡の最古樽。これも使っているのかな)。
少し細かく言うと、最古のは1945年に余市で製造したモルト原酒で、さらにピートの強度や樽の種類、酵母のタイプを変えることでいろいろ作り分けた原酒を多彩に使用しているそうです。
そしてベン・ネヴィスも使っているしモルトもグレーンも使っているのでブレンデッドウイスキーということになりますが、一般のブレンデッドとは違ってグレーンよりもモルトのほうが多く使われているそうです。
あと、さつま司蒸溜蔵の原酒は社内的には「さつまグレーン」と呼ばれてるらしいです。

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これら150種類以上の原酒から生み出された濃密な樽熟成香と、甘みやコクが調和した甘みのある芳醇な味わいが特徴です。
“熟成年数が長いほど高級なウイスキーである”という従来のエイジングに対するイメージに捉われず、9つの年代にわたる多彩な原酒をブレンドすることで、ニッカウヰスキーの90年の歩みを体現しました。
「いま、ニッカウヰスキーがつくりうる、最高のブレンデッドウイスキーです」と尾崎裕美チーフブレンダーが断言しています。

尾崎チーフブレンダーのテイスティングノート解説は次のとおりです。
「香りはアップルパイやレーズンのような濃密な甘さ。これはシェリー樽原酒から由来していると思われるが、シェリー樽原酒は余市、宮城峡、そしてベン・ネヴィスで貯蔵したシェリー樽原酒を使用している。」

「トーストを思わせる香ばしい樽熟成香は、いろいろ樽を使っているなかで新樽も結構使っている。新樽はアメリカンホワイトオークが主だが、ジャパニーズオークと言われるようなミズナラ樽、またヨーロピアンオークの新樽も使っていて、そういった新樽原酒からウッディな香ばしい樽熟成香が感じられる。」

「さらには、ピート由来の穏やかなスモーキーさ。そして古酒を使っていることからアンティーク家具のようなどこか懐かしいレトロな香り、多様な芳香が複雑に重なり合う。こうした個性ある原酒を繋ぎ合わせるのが、まろやかで柔らかいカフェグレーン、カフェモルトといったグレーン原酒がその役割をしている。」

「そこに、門司や鹿児島でつくった新たな個性のあるグレーン原酒をブレンドすることで、輪郭をはっきりさせる、エッジを利かせるという感じでブレンドしている。香りをかぐと、古い樽の在庫というか、貯蔵庫の中を歩いている様な気分にさせてくれる。」

「味わいは、芳醇で厚みのある樽感をベースに、シナモンを思わせるスパイシー感。
スパイシーは樽由来の部分もありますが、鹿児島でつくっているライ麦を原料としたグレーン原酒なども寄与している。」

「ローストナッツ、ダークチョコレートのようなコク、ピートのビターさ、アプリコットジャムやメープルシロップのような甘さは、シェリー樽由来でも出てくるが、ここはいろいろ酵母を変えることによって、ピーチやアプリコットのような熟成した、コクのある甘い香りの原酒も造っていたので、そういった原酒からの影響が来ていると思います。多様な香りが相まって、暖炉の前にいる様な温もりを感じる。」

「余韻は、穏やかなピート、深いコクと甘酸っぱさを伴った、重厚で心地よいビター感が長く続きます」ということでした。

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ちなみに尾崎さんはQ&Aでもいいこと言ってました。
「なんでジャパニーズウイスキーにしなかったんですか?」という、うぅーん?な質問に、「これまでのニッカの90年を振り返る商品なので、私の気持ちとして、ベン・ネヴィスを使わないという選択肢はなかった。絶対使うつもりだったので、はじめからジャパニーズウイスキーではないものをつくるという考えでした。(中略)国産ウイスキーづくり100年の歴史の中で、日本の原酒も海外原酒も使いながら、リーズナブルなものから高価なものまで、お客様に喜んでいただけるおいしさをご提供し、お客様に支えていただいたことで今の100年がある。日本のウイスキーの中でジャパニーズウイスキーがヒエラルキーのトップだとは、私は思っていない。ジャパニーズ、ワールドブレンドそれぞれを喜んでもらえるお客様にむけて、自信をもっておいしいものをつくっていきます」とのことでした。真摯な姿勢がうかがえてたいへん良かったです。

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