最近、色々出ていて話題のアイリッシュウイスキー。気軽に試せるハイボール缶の最新版、「クロナキルティ」ハイボール缶ジンソーダ缶をローソン(限定です)で購入したので【飲んでみた】感想です。

どちらも原酒に炭酸を加えただけのシンプルなハイボール缶。アルコール分7%とそれなりに高めです。

「クロナキルティ ハイボール」
 缶はボトルと同じクジラのしっぽをアイコンに、白のマット塗装が高級感を感じさせます。というか税込み438円なので十分高級なのですが。

クロナキルティハイボール缶 注ぎcs

 グラスに注ぐとリンゴやナシ、若草や土、胡椒の香りが軽~~ぅく感じられます。全然主張する感じではなく。色はだいぶ薄めですが、家にあった原酒のサンプルボトルもだいぶ薄めだったので、色はそれほど出ないものなんだと思います。

クロナキルティ ミニボトルcs

 味はすごく優しい感じ。香り通りにリンゴやナシ、そこにクルミやアーモンドチョコの感じも少し。塩味も少しだけ感じられます。バニラ、スパイスなんかも感じられます。さらっと飲めて、アルコール度数7%が全然感じられないくらいのやさしさです。

クロナキルティハイボール缶 側面cs

 上品でやわらか。クセがなくスイスイ飲めて、美味しいと感じることができるアイリッシュのハイボールです。ただ、値段を考えると「飲みやすすぎない?」と思うかも。
入門編とか、軽く飲み続けるとかならいい感じだけど、強いのに慣れてくると物足りなくなるような気もします。
クロナキルティハイボール缶 正面cs

アイルランド人ってこんな感じだっけ?もっと荒々しくない??って思うかも。

原酒を想像すると、完全に憶測だけど、同社のウイスキーでクジラのアイコンで最も安いのは「シングルバッチ・ダブルオーク」なので、原酒はこの辺りかなと。だとした場合の特徴ですが、
「バーボン樽で熟成されたグレーンウイスキーと、クロナキルティ蒸溜所で蒸留されたシングルポットスチル(大麦麦芽と未発芽の大麦)をブレンドし、アメリカンオークの新樽にトーストとリチャーしたボルドー産ワインオーク樽にそれぞれ後熟したもの」となっています。
SFWSC2019ダブルゴールド、WWA2020ベストブレンデッドアイリッシュウイスキー受賞。
クロナキルティ ローソン売場cs

「クロナキルティ ジンソーダ」
 ハイボールと同じくクジラのしっぽのアイコンに、白のマット塗装。ハイボールは熟成の茶色系、ジンソーダはクリアな青み系の色分けです。こっちも高めの価格設定ですが、ハイボールよりは安めの税込み350円。

クロナキルティジンソーダ缶 注ぎcs

 グラスに注ぐと僅かに乳清の香りが感じられます。レモンなどの柑橘、ラベンダーの香りがあります。ミネラル感も少し。ジュニパーベリーが全然強くなくて、味もミルクの上澄みみたいな感じにレモンをちょっと絞って、エディブルフラワーを浮かべたようなイメージ。
ハイボールと同じく、優しく、やわらかで、クセがなく多くの人に好かれそうな印象です。
とはいえハイボールと同じく物足りなさもあって、「パンチが欲しいかな」なんて贅沢なことを言ってしまいそうな感じです。

ホエー・パルミジャーノ工房でcs
パルミジャーノのホエー(クロナキルティ蒸留所とは関係ありません)

原酒はおそらく「ミンク・アイリッシュジン」。大西洋を泳ぐミンククジラにインスパイアされたジン。創業家のスカリー家が製造する乳製品の副産物ホエー(乳清)を原料にしたホエースピリッツをベースに、地元の崖から手摘みするロックサンファイアをボタニカルに使用。
アイルランドは酪農王国でもあり、バターやクリーム、近年になってチーズも生産しています。ホエースピリッツベースのジンでは、同じアイルランドのバーサズ・リベンジ・ジンなども有名。

クロナキルティジンソーダ缶 正面cs
ロックサンファイアは塩生植物で、フェンネルの香りと塩味が特徴。近似の種類にアッケシソウというのもあるそうで。厚岸蒸溜所でジンをつくることになったとしたら、ボタニカルに使えそうですね。
クロナキルティジンソーダ缶 側面cs

【クロナキルティ蒸留所】
アイルランド・コーク州南部の町クロナキルティで、9世代に渡って農家を営んできたスカリー家が2018年に設立。2019年3月に最初のニューメイクスピリッツを蒸留。生産するシングルポットスチルウイスキーには、同家と近隣農家で生産された大麦を原料に使用しているそうです。それを単式蒸留機で3回蒸留し、 “ジェントルカット”と呼ぶ2週間かけてゆっくりと加水する方法で、やわらかできめ細やかなアイリッシュ・シングルポットスチルウイスキーを製造しています。公式の情報だと2024年にリリースしたニューメイスウイスキーは3万lを仕込んだとか。

アイリッシュウイスキー缶が増えてきたので、飲み比べてみるのもいいかもですね。
セブンイレブン限定の「アイリッシュウイスキーハイボール イーガンズ」は、原酒を仕入れて独自に熟成、製品化するボンダーのイーガンズ社の原酒を国分グループ本社が缶にしたもの。一応、継続販売中です。
ローソン限定の「バスカーハイボール缶」は昨年12月に発売されたもの。日本市場を席巻したアイリッシュウイスキー「バスカー」をハイボール缶にしたものです。

いずれも原酒にソーダを加えただけのシンプルハイボール缶。さらに原酒そのものの「トゥースタックス ドラムin a カン」というものもあります。アルコール分43%の原酒がそのまま100㎖入っているので、飲むときは気を付けて。